恋ふうせん
「あ!未知さん!おはようございます。申し遅れましたけど、旦那様にはいつもお世話になってます。」

急いでいたこともあり、軽く手を振ってそのまま走り去ろうとしたのに、未知さんは急に怪訝な顔になった。

「え…?うちの主人と何か?」

あ…、ひょっとして未知さん、聞いてなかったのかしら?

なんだか気まずい空気が流れてる。

でも、電車に乗り遅れそうな私は立ち止まってゆっくり説明している暇はなかった。 

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