恋ふうせん
動揺を見せてはいけないと、敢えて冷静な表情で、
「すみません」
と一礼した。
「本日、きちんとお話を通すつもりでした。たまたま近所にお住まいの白井さんと帰り道お会いしたので、お話しただけです。」
思わず語尾に力が入ってしまう。
「ふふん。近所に住んでるんだねぇ。」
しまった。
逆に不必要な情報まで部長の耳に入れてしまった。
少し後悔しながらも、もうすぐこの会社とはおさらばだという気持ちが私を強くしてくれていた。
「でも、まさか白井さんが退職されるなんて存じ上げませんでしたので。」
「ふむ。もういいよ、じゃ、近々退職願いを出しといて。後任の手配は早々にやっておくから。」
「はい、よろしくお願いします。」
表情を変えず、感じの悪い部長から離れた。
「すみません」
と一礼した。
「本日、きちんとお話を通すつもりでした。たまたま近所にお住まいの白井さんと帰り道お会いしたので、お話しただけです。」
思わず語尾に力が入ってしまう。
「ふふん。近所に住んでるんだねぇ。」
しまった。
逆に不必要な情報まで部長の耳に入れてしまった。
少し後悔しながらも、もうすぐこの会社とはおさらばだという気持ちが私を強くしてくれていた。
「でも、まさか白井さんが退職されるなんて存じ上げませんでしたので。」
「ふむ。もういいよ、じゃ、近々退職願いを出しといて。後任の手配は早々にやっておくから。」
「はい、よろしくお願いします。」
表情を変えず、感じの悪い部長から離れた。