恋ふうせん
2人にお茶を入れながら、白井さんに送ったメールを思い出した。

ひょっとして助けにきてくれたの?

まさか。

「白井さんのご主人ですよね?一体どうしたんですか。」

切り出したのは旦那からだった。

「急にこんな風に訪問してしまったご無礼をお許し下さい。どうしてもお伝えしたいことがあったので。」

どうしても伝えたいこと?何?

「ん。何でしょう?いや、実は僕も君に聞きたいことがあったんで丁度よかった。」

え?旦那は白井さんに何を問いただすつもり??心臓がバクバクしてきた。

「実は。」

白井さんが話し始めるタイミングでお茶を出した。

白井さんは、まだ一度も私の顔を見てくれない。
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