恋ふうせん
「お茶をご馳走した時、ちょっと時間が遅くなったので、2人で小走りで公園を歩いていたんです。そしたら、奥様が石につまずいて転ばれて。」

白井さんはおかしそうに笑った。

私もつられて笑っていた。

「それで、手を貸したんです。しばらく足が痛そうだったので、手をつないだまま歩いていました。それを加藤さんは見られたのかな?奥さん、あの後、足は大丈夫でしたか?」

「あ、はい。大丈夫です。あの時は少し痛んだんですけど、帰ってきてからは治っちゃいました!」

白井さんは、私の顔を見てそっと微笑んだ。

「よかった。」

白井さんは、この会話が無事に終えたことに対して言ったんだろうか。

本当に安堵した顔で私から旦那の方に視線を向けた。
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