恋ふうせん
「で、また離婚だろ?美由紀ちゃんも落ち着かないよな。しかも北海道なんて。また一から友達作り直しじゃないか。」

「うん。美由紀ちゃんは性格が穏やかでいい子だから、きっとすぐにお友達出来ると思うけど。」

「ま、俺らも同じ場所に引越すわけだし、これからもちょくちょく付き合ってあげた方がよさそうだな。」

「・・・。」

「だって、ほら隆太と同じ幼稚園だったんだろ?知ってる顔があるのとないのじゃ、気分的に全然違うぜ。隆太にとっても同じことが言えるしさ。」

「ま、まぁね。」

「白井さんて、俺が言った通り、小樽のホテルのボーイだったよな。俺の記憶力もまんざらじゃないねぇ。」

そう言いながら、満足そうにビールを飲み干した。
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