恋ふうせん
12時に1階のロビーに向かったが、まだ白井さんは来ていなかった。

少しホッとして、呼吸を整える。

なんだか変なの。

高校生に戻ったみたいなこの胸のドキドキ。

すると、目の前のエレベーターがあいて、白井さんが慌てた様子で出てきた。

「お待たせして申し訳ありません。」

よほど慌てていたのか、白井さんの頬が少し染まっていた。

「いいえ、私も今来たところです。」

頬を上気させたその笑顔にまたドキっとする。


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