恋ふうせん
つけっぱなしのテレビでは、おもしろくもない昼ドラがやっていた。

大きく伸びをした時、携帯が鳴った。

「誰だろう?」

重たい腰を上げて、テーブルの上で鳴っている携帯を手に取った。

『着信・・・白井さん』

え?!白井さんから電話?まさか。

半信半疑のまま、呆然と携帯を見つめた。

この電話、出た方がいいんだろうか。

私からもう会わないって切り出したのに、今更・・・。

ただ、白井さんに、なぜ北海道に行くことに決めたのか、これからどうするつもりなのか聞きたかった。

一友人という関係で。

そんな言い訳を自分に言い聞かせながら、思いきって携帯に出た。

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