恋ふうせん
「わからない。ただ、今は白井さんのそばにいたいの。」

「いいの?」

「わからない。」

ううん。

本当はいけないってことわかってる。

でも、理屈じゃどうしようもないのよ。

私は、今まで真面目一本でやってきた。

自分を押し殺して生きてきた。

結婚もして、子どももできて、一生懸命に家庭を大事にしてきた。

それは全く不足ない幸せな時間だった。

それなのに、なぜ?
< 193 / 221 >

この作品をシェア

pagetop