恋ふうせん
白井さんの腕の中で、そんなことを思いながらウトウトしていた時、白井さんの携帯が鳴った。

「ごめん。ちょっと出るね。」

白井さんは、私からそっと離れると携帯に出た。

「はい。そうですが。・・・あ、申し訳ありません。すぐに向かいます!」

不安そうに見ていた私の方に白井さんは安心させるような笑みを浮かべた。

「あまりに咲さんに夢中になっていて、美由紀を迎えに行く時間を忘れてました。」

ってことは・・・。あ~!私もだ。隆太と航太のお迎えの時間は、とっくに過ぎてる。

今まで私が働いている間は、実母にお願いしていたんだけど、仕事辞めてからは私が行ってたのよね。

しまったー。

「私も!隆太と航太のお迎え行かなくちゃ!」

2人で顔を見合わせて笑った。

それだけで幸せだった。
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