恋ふうせん
一緒に迎えに行くのは明らかにまずいということで、時間差で迎えに行くことに決めた。

私はとりあえず、家に戻ってシャワーを浴びてから行こう。

白井さんとは、「また」と行って、そのまま別れた。

家に着くと私の携帯が鳴っている。

あ、幼稚園からかしら?

慌てて出ると、実母からだった。

「咲!何してるの!航太が大変なことになってるから中央病院まで早く来て!」

実母のせっぱ詰まった声が切れた電話の向こうでこだましている。

航太?

航太がどうしたっていうの?

急に背中に冷たい汗が流れた。

ものすごい不安感が胸に広がっていく。

私はシャワーも浴びずに、車にとびのって中央病院へ急いだ。
< 200 / 221 >

この作品をシェア

pagetop