恋ふうせん
12章 代償
集中治療室の前のベンチに、実母と隆太が座っていた。
隆太は首をうなだれて泣きべそをかいている。
実母はそんな隆太の肩を抱いて、一生懸命なだめていた。
私に気づいた隆太は、
「お母さん!」
と泣きながら私の方へ走り寄って、腰に巻き付いてきた。
実母は険しい顔で私をにらんでいる。
にらまれて当然だよね。母親失格だ。
それにしても一体航太は?
「航太は?」
隆太は首をうなだれて泣きべそをかいている。
実母はそんな隆太の肩を抱いて、一生懸命なだめていた。
私に気づいた隆太は、
「お母さん!」
と泣きながら私の方へ走り寄って、腰に巻き付いてきた。
実母は険しい顔で私をにらんでいる。
にらまれて当然だよね。母親失格だ。
それにしても一体航太は?
「航太は?」