恋ふうせん
「お母さん!なんで迎えに来てくれなかったんだよー。僕たちずっと2人で待ってたんだぞ!航太死んじゃったらどうするんだよー!」

隆太が泣きながら叫ぶ。

「ごめん、ごめんね。」

「お母さん、こないだから謝ってばっかりだ!なんだよぅ!最近、変だよ!」

子どもだと思っていたけど、私の変化にちゃんと気づいてたんだ。

頭の上に鉛をのせられたように体が重くなった。

「あ、先生。」

実母が、後ろを振り返った。
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