恋ふうせん
散らかったままの部屋を簡単に片づけて、航太のパジャマやタオル、好きな絵本やおもちゃをバッグに詰め込んでいく。

そういえば、最近一緒に絵本なんて読んでなかったなぁ。

航太の目が覚めたら読んであげよう。

その時、携帯が鳴った。

着信を見ると、白井さんから。

私は出るのをためらわずにいられなかった。

ここで出たら、また白井さんに甘えてしまいそうだったから。

頭では理解できているのに、気持ちの奥の方から別の私がずっと白井さんの名前を叫んでいるの。

一つ深呼吸をして、電話に出た。
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