恋ふうせん
「へー。カフェなのに結構メニューが充実してるんですね。それにここって夜はバーになるんだ。」

どうでもいいような話をしてるな、私。

「そうなんですよ。大杉さんはお酒はのめる方ですか?ここのバー、夜も雰囲気いいんですよ。」

そう言うと、白井さんは運ばれてきた水を一口飲んだ。

白井さんは、このバーに誰と来たんだろう?

そんなことを考えなら、白井さんの水を飲む口元を見つめていた。

ふと、白井さんと目があって、慌てて、

「あ、はい。結構飲める方です。」

と言ってしまった。

私が酒豪だなんて、白井さんには絶対言いたくなかったんだけどなぁ。

白井さんは、くすっとうつむいて笑った。

「よかったら今度は是非夜…いや、旦那さんと夜に来られたらいかがですか?」

「あは、そうですね。いいかも。」

旦那と来たいなんて露にも思わなかったけど、肩をすくめて笑って言った。

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