恋ふうせん
「・・・。」

「ごめんね。私もどうしていいかわからないの。」

「これから病院へ向かうの?」

「うん。航太は1日入院するから。これから出るところ。」

「車で送っていくから、少し待ってて。」

「あ!いいの、そんなことしたら、また誰かに見られる・・・。」

「いいよ。もう誰に見られたって。それに僕も咲さんもじきここからいなくなるんだから。」

そう言うと、白井さんの電話が切れた。

神様。

どうしたらいいの?このままじゃ堂々巡り。

いつも離れようとして戻って、離れようとして戻って、私の気持ちは、ますます白井さんに向いていくの。

そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴った。

白井さんだった。
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