恋ふうせん
13章 どこかで・・・
その2週間後、私達は小樽に引越しをした。

そして、また変わらない4人の生活が始まっている。

何事もなかったように、それは、とても穏やかに過ぎていった。

あれから、白井さんからは連絡はない。

もう小樽には着いたんだろうか?

どこに住んでるんだろうか?

気にならないといえば、嘘になる。

でも、その存在をどこかに感じれるだけで、今の私には十分だった。

小樽の駅で、公園で、商店街で、きっとこの町のどこかにいるんだって、風が教えてくれる。

またどこかでばったり出会うかもしれない。

そして、また気持ちが揺れるかもしれない。

だけど、私には本当に大事な家族がいる。

揺るぎない存在がここにある。

だから、きちんと白井さんとはさよならできた。

もう会わなくても大丈夫。

きっと・・・。
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