恋ふうせん
「智子?!どうして~!」

智子は息をきらしながら、私の方まで走ってきた。

「私こそ、こんなところでばったり会うなんて、びっくりしたわー。」

「なになに?仕事?」

「そう、仕事で今こっちに来てるんよ。今晩あたりでも連絡しようかと思っててん。」

「そうなんだー。縁のある人とはこうやって偶然会うもんなのねー。」

私も嬉しくなって笑った。

「今、このホテルに泊まってるんやけど、もし今時間あるなら、中で一緒にお茶でもしない?」

一瞬息をのんだ。

白井さんの働いているホテルに泊まってる?
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