恋ふうせん
エレベーターに乗り、面接会場の13階へ。

エレベーターには私の他には誰もいない。

10階でエレベーターの扉が開く。

少し緊張して扉の向こうを見た。

優しい眼差しの長身の男性が軽く会釈をして乗ってきた。
小脇にはたくさんの書類を抱えている。

ひょっとして面接官だったりして?

図星だった…。

エレベータが13階で止ると、その男性は先に降りていった。

私も後を追うように男性について行く。

その男性がある会議室に入っていき、そのまま私も。

私に気づいたその男性は会議室に入ると、私の方を振り返り申し訳なさそうに言った。

「あのぅ。ここ面接会場なんですよ。面接受けられる方ですよね?申し訳ありませんが、隣の部屋が控え室ですから、お名前およびするまでそちらでお待ち下さい。」

「あ、あっ、そうですよね!失礼致しました!」

私は慌てて会議室から飛び出す。

あちゃー、やってしまった。

緊張のあまり、思わずそのままついて行ってしまった。

恥ずかしぃ~。落ち着かねば…。

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