恋ふうせん
キッチンから、顔だけ出した未知さんが言った。
「うふふ、美由紀、隆太くんのお母さんにちゃんとご挨拶なさい。」
「こんにちは。美由紀です。」
私の目の前に、利発そうな女の子が立っていた。
ストレートの黒髪が妙に大人びてみえる。
淡いピンクのワンピースを着て、笑っているその目元はお父さんそっくりだった。
私はしゃがんで美由紀ちゃんと視線を合わせると、
「こんにちは、美由紀ちゃん。美由紀ちゃんは折り紙が上手なのねぇ。おばちゃんびっくりしたのよ。」
と優しく言った。
美由紀ちゃんは、恥ずかしそうにうつむいて微笑んだ。
「美由紀は一人っ子だから、こうやってお友達が来るととても喜ぶんですよ。」
また、私の背後に白井さんの声がする。
振り返るとまたドキドキするのがわかっていながら白井さんの方に顔を向ける。
「だから、いつでも遊びにきてやって下さい。」
白井さんは私とは目を合わさずに、未知さんのいるキッチンの方へゆっくり歩いていった。
「うふふ、美由紀、隆太くんのお母さんにちゃんとご挨拶なさい。」
「こんにちは。美由紀です。」
私の目の前に、利発そうな女の子が立っていた。
ストレートの黒髪が妙に大人びてみえる。
淡いピンクのワンピースを着て、笑っているその目元はお父さんそっくりだった。
私はしゃがんで美由紀ちゃんと視線を合わせると、
「こんにちは、美由紀ちゃん。美由紀ちゃんは折り紙が上手なのねぇ。おばちゃんびっくりしたのよ。」
と優しく言った。
美由紀ちゃんは、恥ずかしそうにうつむいて微笑んだ。
「美由紀は一人っ子だから、こうやってお友達が来るととても喜ぶんですよ。」
また、私の背後に白井さんの声がする。
振り返るとまたドキドキするのがわかっていながら白井さんの方に顔を向ける。
「だから、いつでも遊びにきてやって下さい。」
白井さんは私とは目を合わさずに、未知さんのいるキッチンの方へゆっくり歩いていった。