恋ふうせん
ふわふわした空間の中で、隆太の声がする。

「お母さん、お母さん。」

隆太に声をかけようと思うのに、目は開かないし口が回らない。

「お母さんは大丈夫。もう少しここで寝かせてあげよう。」

白井さんの声だ。

「遅くなってご主人が心配されるといけないから、とりあえず先に隆太くんと航太くんを送ってくるよ。」

「そうね、その方がいいわね。」

未知さんの心配そうな声も聞える。

私は、一体今どうなってるんだろうか?

そんなことを考える余裕さえないくらいに、頭が重い。

そのまま、気を失うように意識が遠のいていった。

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