恋ふうせん
目を開けると、薄暗い部屋に一人ベッドに寝かされている。

ここはどこ?

重たい頭を押さえながら、ゆっくり体を起した。

扉の向こうから少し光がもれている。

よたよたしながら、その扉までたどりついた。

そっと開けてみると、扉のずっと向こうに白井さんがソファーに座って本を読んでいる

姿が目に飛び込んできた。

えっ!

私白井さんちで寝てしまってたの??

あ~、やってしまった…。

見事、恐れていた通り、ワインで醜態をさらしてしまったんだわ。

私は嫌なことがあると、お酒をとにかく飲みまくる性癖があった。

とにかく無言ですごいペースで。

気がつくと、いつもこんな状態だった。

よりによって、白井さんに見られてしまうとは。

もうダメだ。

勇気を振り絞って、白井さんの方へ歩いていった。

「白井さん、私…。みっともないことしてしまって、本当に申し訳ありません!」

白井さんの顔を見るのが怖くて、そのまま頭を下げた。

「あぁ、よかった。そろそろ様子を見に行こうかと思ってたところです。お気分は悪くないですか?」

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