恋ふうせん
エレベーターで5階に着き、丁寧にお礼を言ってから白井さんと別れた。

別れた瞬間に、頭が重たくなってきた。

そうだ。

私はかなりワイン飲んでたんだっけ。

急に思い出したように、気持ちが悪くなってきた。

我が家の玄関をそっと開ける。

リビングから明るい光がもれてきていた。

重い足取りでリビングに行くと、旦那がテレビを見ていた。

こちらに背を向けていたが、明らかに怒ってる。

「ごめん、遅くなって。ちょっとワイン飲み過ぎちゃって」

「あ、そう。」

旦那はこちらを見ようともせず、テレビを消すと寝室に無言で行ってしまった。

やばい、本気で怒ってる。

キッチンに行くと、カップラーメンが散乱していた。

きっと、三人でこのカップラーメンを探し出してなんとか晩ご飯にありついたのかと思
うと、急に胸が苦しくなった。

私は、何やってるんだろう?

なんだか色んな事が頭を駆けめぐって涙が出てきた。

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