恋ふうせん
5章 いろんな思い
そんな次の日は日曜日。

嫌でも旦那、子ども達と顔を合わせなければならない。

四面楚歌っていうか、こういう時、妻として親としてどういう顔をすればいいのか。

難しいところだ。

まずは隆太が台所に寝ぼけ眼でやってきた。

私を見るなり、ぱっと目を大きく見開き、嬉しそうに笑った。

「母さん、ちゃんと帰ってきてたんだね。あぁよかったぁ!」

そう言いながら、私のお腹に抱きついた。

そうこうしている間に航太がこちらへ走ってくる音が聞えた。

「お母さん、おかえり!」

またもや、大変な笑顔で兄さんに負けじと私の右足に抱きついてきた。

そんな子ども達の健気な姿に泣きそうになりながらも、涙はぐっとこらえて、

「昨日はごめんね。母さん、少し飲み過ぎちゃった。これからは気をつけるからね。」

って、しゃがんで二人をぎゅっと抱きしめた。

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