恋ふうせん
『受信完了』

携帯を開くとやはり白井さんからのメールだった。

早く見たい衝動にかられる私は、

「先にお風呂入ってくるねぇ。」

とキッチンから叫ぶと、お風呂場へ急いだ。

まるで少女に戻ったような気持ちで携帯を開く。

私が無難なメール送ってるんだし、返信だって無難な内容に決まってる。

わかってるけど、今は白井さんが自分宛にくれた言葉だけでも舞い上がるような気持ちだった。

『咲さん、その後お体はいかがですか?今日は大変ご迷惑おかけしました。
美由紀はすっかり落ち着いて先ほど寝ました。
家内も僕の方で色々と話を聞き、とりあえず安定しています。
今度、今回のことも含めてお話したいのでお食事でもいかがですか?』

途中までは無難だったけど、最後の一文に顔が熱くなってくる。

いいの?

お食事に行ってもいいの?

誰に聞いてるのかわからないけど、何度も心の中で自問自答する。

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