恋ふうせん
「あと、美由紀と未知のことなんですが。」

「そうそう、私もそのことがずっと気になっていたんです。いかがですか?」

「その節は色々とご迷惑おかけしました。今は比較的落ち着いています。美由紀にとって、生まれたときから母として一番そばにいたのが未知です。いくら未知が本当の母親ではないことを教えても、美由紀にとっては未知以外の母親を知りません。未知も普段は美由紀のよき母として、愛情を持って接しているんですが、時に情緒が不安定になった時に、美由紀に荒々しい態度で接することがあって。それもごく最近のことなんですが。このままでは、美由紀がつぶれてしまわないか不安でしょうがありません。僕もつきっきりで美由紀と未知を見ていられませんし、頭を悩ませるところなんです。」

「そうですか…」
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