恋ふうせん
「私は自分の子ども達が一番大切。この子達を守るためならどんなことをするのも、どんな我慢をするのも平気。親ってそんなもんじゃないのかしら?」

言葉に力が入っていく。白井さんに飲み込まれそうになる自分を奮い立たせるかのように。

「僕は…。」

白井さんは寂しそうにうつむいた。

「僕は、どちらかなんて選べない。」

私の心臓がまたビクンと震える。
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