白狐様の秘密
said.蝶蘭
「止めぬか、!」
妾は人間に喰いかかった。
「このっ、狐!」
バン!
痛い。
心が引き裂かれるように痛い。
あの子たちを守れなかった。
「よくも、よくもっ!妾の大事な子たちを」
バンバンバン!
ここで倒れるわけにも行かぬ。
最後の気力で鬼火を打った。
「うわああああっ!」
人間たちは森から逃げていった。
残ったのは燃えている森。
妾の愛した森…
あぁ、森が燃えていく。
みんな、死んでしまった。
すまぬ、妾が守れなかったから。
妾は守ると誓ったのに…
涙が止まらなかった。
悔しい。
妾は無力だ。
そのまま意識を手放した。