白狐様の秘密







それから500年。
母上・蝶蘭は狐神となった。




兄の誠蘭は母上の官僚になっていた。
その頃には誠蘭の抱えていた闇は消えているかと思えた。



俺を産んですぐ誠蘭は謝ってきたそうだ。
母上も誠蘭を信じ、再び共に仕事をするようになった。





ある日、俺は母上の部屋をあさっている誠蘭を見つけた。
誠蘭は俺に気づくと、いきなり腰に差していた剣を抜いた…



「蝶蘭!お前はここで死ぬ!俺の手によってな!そして俺が狐神となるのだ!!」




彼は壊れていた。
心に差していた闇が彼をこんな風にしたのだろう。




誠蘭相手ならと思い、油断をしてしまった。



「時の陣、我に従え!停止空間。」ニヤリ

「しまった…!!」



俺の心臓目掛けて向かってくる刃。
よけられない…。




目の前にふわっと白い大きな狐が目の前で倒れた。










母上?















う、そだろ…














なんで俺なんか庇ったんだよ!!



「…妾の……大事な…も、のっ…。まも…れ……たっ……。」



そう母上は微笑むと力なく目を閉じた。



「母上!母上っ!!…貴様っ…!」

「ははっ。ははははははっ!立派だな(笑)母親と言うのはっ!」



奴はそう言うと消えた。







セイコンジン
そして、奴は新しく聖狐神をつくった。
俺は母上の跡を継ぎ狐神様となった。





それ以来争いは絶えなくなった。


< 13 / 42 >

この作品をシェア

pagetop