白狐様の秘密
それから500年。
母上・蝶蘭は狐神となった。
兄の誠蘭は母上の官僚になっていた。
その頃には誠蘭の抱えていた闇は消えているかと思えた。
俺を産んですぐ誠蘭は謝ってきたそうだ。
母上も誠蘭を信じ、再び共に仕事をするようになった。
ある日、俺は母上の部屋をあさっている誠蘭を見つけた。
誠蘭は俺に気づくと、いきなり腰に差していた剣を抜いた…
「蝶蘭!お前はここで死ぬ!俺の手によってな!そして俺が狐神となるのだ!!」
彼は壊れていた。
心に差していた闇が彼をこんな風にしたのだろう。
誠蘭相手ならと思い、油断をしてしまった。
「時の陣、我に従え!停止空間。」ニヤリ
「しまった…!!」
俺の心臓目掛けて向かってくる刃。
よけられない…。
目の前にふわっと白い大きな狐が目の前で倒れた。
母上?
う、そだろ…
なんで俺なんか庇ったんだよ!!
「…妾の……大事な…も、のっ…。まも…れ……たっ……。」
そう母上は微笑むと力なく目を閉じた。
「母上!母上っ!!…貴様っ…!」
「ははっ。ははははははっ!立派だな(笑)母親と言うのはっ!」
奴はそう言うと消えた。
セイコンジン
そして、奴は新しく聖狐神をつくった。
俺は母上の跡を継ぎ狐神様となった。
それ以来争いは絶えなくなった。