白狐様の秘密
想い
「こんな所で眠っていてよいのですか?」
「んっ…。」
そうだ。私、白い奴らに殴られたんだ。
気づいたら知らないベットの中だった。
辺りを見渡すと、白を貴重にした部屋できれいに整頓されている。
でも、怖い。
あの時のことを思い出し、体が震える。
でもすぐに、私の体は暖かいものに包まれた。
「大丈夫。わたくしが側におります。」
温かい。
この温かさ知ってる。とっても懐かしい。
でも誰だったっけ。
「あなたは?」
「ニコッ。今は分からなくても構いません。でもこれだけは覚えておいて下さい。わたくしはあなたの味方です。」
そう言うと女の人は消えていった。
私、あの人のこと知ってるのに思い出せない。
ふと浮かんだ二人の顔。
琥珀くん、黒川くん早く助けに来てっ。
今泣いちゃだめ!
泣きそうになるのをぐっと堪えた。
コンコン。
返事をする間もなく、扉が開いた。
「本日より姫様のお世話をすることになりました。凪(ナギ)と申します。早速ですが、お召換えを。」
「なんで着替えなんかしないといけないの?!私は帰りたいっ。」
「誠蘭様がお待ちです。」
誠蘭って確か蝶蘭さんのお兄さんだよね。
「どうしてその人と会うのに着替えなきゃいけないの?!」
私は彼女にもう1度聞いたが有無をいわず、そそくさと着替えの準備をする。
「私は姫様のお世話係です。ご主人は誠蘭様にございます。」
「わかったわよ。私が何を言ってもだめって事ね。」
私は諦めて着替えることにした。