白狐様の秘密
「姫様。入浴の準備ができております。」
「え?なんでお風呂なの?」
「お召換えをしたことがございませんか?ご入浴されてはじめて、お召換えをするのです。当たり前のことですよ。」
そんなこと言われたっていきなりお召換えしろって言われてお風呂に入るって思わないじゃない。
凪の鋭い視線を感じながらお風呂に入った。
「はぁぁ。やっぱお風呂は最高!」
お風呂は大好き。
まるで体の隅々まで浄化されてるみたい。
長い時間浸かっていたせいか、頭がぼーっとする。
そろそろ出ないとのぼせちゃうかも。
もう少し浸かっていたかったけど、のぼせて倒れちゃうのも嫌だったから出ることにした。
お風呂から出ると不機嫌な凪。
「どうしたの?」
「どうしたもなにもありません。入浴時間が長すぎます。1時間弱は入っております。」
えっ?!そんなに入ってたんだ。
全然自覚なかった。
「早くお召換えをしてください。ドレスはこちらになります。」
そう言うと凪は部屋に掛けていたドレスを私に差し出してきた。
「待って。私これの着方わかんない。」
凪はため息をつきながらも丁寧に着方を教えてくれた。
なんだかんだ言って優しくしてくれた。
「やっと着れた。ドレスを着るのって結構大変なのね。」
「お疲れ様です。」
疲れて椅子に座っていると凪が紅茶を入れてくれていた。
「一息ついて落ち着きましたら、誠蘭様の元へ向かいます。」
そうだ。
私、誠蘭さんに聞かなきゃいけないことあるんだ。
紅茶を一気に飲み干すと気合が入った気がした。
「そろそろ行こっか。」