白狐様の秘密

「みんな、席につけー
あぁ、授業始める前に一つ大事な話がある。
入っていいぞ」

「あっ!」


今朝会った人だったんだ。
同じ制服着てたのに気づかない私って…。
そんなことを考えていると、彼の凛とした声が教室に響いた。

シンドウコハク
「初めまして。神堂琥珀です。よろしく」ニコッ


教室中から黄色い歓声が上がった。
そりゃそうだよね、あんな整った顔めったに見れないし。


「神堂は月下の隣でいーな?」


えっ、ええええ!
わ、私の隣に神堂くんが来ちゃうの?!


「月下、神堂の学校案内とか頼んだからな。」

「はぃ…。」


もちろん、クラス中は大ブーイング。
そうなりますよね(笑)


「よろしくね。月下さん」

「よ、よろしく」


私の隣にイケメンが居るだなんて夢みたい。
この時私はこれから何が起きるか知らないまま、呑気に浮かれていたのだ。



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