白狐様の秘密
said.咲羅


涼のところにきてどのくらいたっただろうか。
いてもたっても居られなくなって涼の家を飛び出した。


「咲羅!今、行ったら危険すぎるっ。戻ってこい。」


涼の声が後ろから聞こえたが、行かずにはいられなかった。


家を飛び出して目に入ったのはボロボロだけど、笑顔で手を振るゆき。


「ゆきっ。」

「ごめんなさい。迷惑かけて。でも、奴らは皆帰っていったんでもう大丈夫ですよ。」

「ゆき、派手にやられたね。」

「うん(笑)そういえばぼたん、さっきヴォルクおじさんが来てくれて助けてくれたんだ。」

「ヴォルクおじさんが来たってことは…。」


一気に張り詰めた空気になる。


「あ、あのー、ヴォルクおじさんって?」


2人は困った顔をして私を見てきた。
あれ、なんかいけないことでも言ったかな?
すると、涼が口を開いた。


「ヴォルクは元々、白たちの領土を荒らす輩だった。だが、白の母親が死んだと聞いて、白の所へ来たそうだ。
俺が親になってやるってよ。ほんと、おかしな人だよな。」


琥珀くんの事がなぜか気になって、涼に聞こうとするも彼の言葉に阻まれた。


「りょ…。」

「もうこんな時間だ。今日は色々あって疲れたろ?早く帰って休みな。」


涼は今はなにも聞くなと言っているように思えた。


「うん、そうするね。じゃあね、ありがと。」


涼と別れてゆきとぼたんを連れて帰る。


「帰ったらまず、ゆきの手当てしないとね。」

「ありがとうございます。でも咲羅様、俺治癒能力に長けてるんで、大丈夫ですよ?」

「私がしたいだけ。だから、治癒が早くてもやらせてよ。何かしないと申し訳ないし…。」

「咲羅様…。じゃあお言葉に甘えさせて頂きますね。」


そうこうしている内に家についたみたい。

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