白狐様の秘密
着替え終わり神殿から出ると、涼が待っていた。
「2人ともよく似合ってる。」
とか言いながら、かりんのことをガン見している。
「で、涼。こんな格好してどこ行くの?」
「さっきも言っただろ?白のとこだよ。でもまずは向こうにも俺の家があるから先にそこに行く。」
「向こうって?」
「神界だ。」
「あ、あの、なんの、話を、してるの?」
「俺たちが元々住んでいた世界なんだよ。まだ話してなかったか。」
「聞いてないもなにもそんな話にならなかったよ!」
私とかりんが驚いているけど、そんなことはお構いなく涼しい顔をしている。
「時間がない。行くぞ。」
私たちが出てきた神殿の中へ涼は入っていく。
「さくらちゃん。」
「どしたの?」
「さくらちゃんは神堂くんに会いたいんだよね。だったら行こうよ。私も怖いけど一緒に行くから。」
こういう時かりんは頼りになるから助かってる。
でもよく見るとかりんの足元震えてるような気が…。
「そだね。ありがと。行こっか!」
神殿の中へ再び入ると、部屋の真ん中に大きな門が開いていた。
「ここが、神界への入り口だ。」
すごく怖いけど、皆がいれば大丈夫だよね。
涼やかりんもいるんだもの。大丈夫よ!
私は深呼吸して、門の中へ入った。