白狐様の秘密

said.神堂琥珀

said.琥珀



はぁ~。
いつになればこの争いは終わるのやら。
そー考えならがら外を眺めていると、襖が勢いよく開いた。


「琥珀様~!早く婚約者を決めて貰わないと困
りまする。お父上からも言われておりまする
故!」

「分かってるよばあや。心配かけるね」


最近父上は、交戦争いで俺の跡取りがほしいそうだ。
俺が居なくなれば神堂家を継ぐ人が居なくなるんだって。
かと言って跡取りがいない今、俺を最前線に立たせたくないみたいだ。



俺の家は1000年以上も続く家系で、全ての神々を束ねる白狐の一族。
中でも母上は白狐の長であり、他の神々からも慕われていて、強く美しい方だった。
俺はそんな母上に憧れていた。


だが、母上の事をよく思っていない一族がいた。
奴らは母上が1番信頼を置いていた一族だった。
俺も小さい頃からよくお世話になった人だった。
とても優しく俺に色んな事を教えてくれた。
狩りの仕方、女の口説き方、それに変幻の仕方。とても優しく強い人だった。







なのに、なのになんで…
なんでなんだよっ











母上はあいつに殺された…












ぜんぶ、全部、俺のせいだ。








< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop