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ーーードォン!!

雷の大きな音と共に、部屋に暗闇が広がる。
なにも見えない。

「え…なに!?」

「停電、だな。雷が落ちたみたいだ」

「嘘っ…」

外から稲光が差しこみ、雷がまた大きな音を立てて落ちる。

「きゃっ!」

何も見えない…どうしよう!
私、暗いところが苦手なのに。

「懐中電灯取ってくる」

私の腕を離そうとする黒田の腕を、私は両手でぎゅっと掴んだ。

「やだ待って!行かないで!」

「ずっと真っ暗な中いるわけにはいかないだろ」

「じゃあ私も連れていって!お願い、一人にしないで…」

恐怖で身体の震えが止まらない。
雷は大丈夫なのに、暗闇は小さい頃から苦手だった。

私は未だに明かりを消して寝ることができない。
暗闇の中に一人でいると、世界に置き去りにされて、ひとりぼっちになったような気がして怖い。

高校生にもなって子供みたいなこと言って、って思われてるよね。
黒田、呆れてるかな。
誘拐犯に何言ってるんだろう、私。
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