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不穏な予感
「お、おはよう!」
5日目の朝、9時。
黒田は眠そうな顔で2階からおりてくる黒田に、元気よく声をかける。
「……」
反応なし、か。
昨日までは反応くらいはしてくれたんだけどな。
「珈琲いれるね」
「いい、自分でいれる」
椅子から立ちあがり、台所に向かおうとした私に黒田はそう言い放つ。
「そっか…」
私に背を向けて台所に立つ黒田。
昨日の夜から私の方を一度も見ない。
距離を置かれた。
私が黒田に近づきすぎたんだ。
「…昨日は、ごめんなさい」
黒田は手を止めず、もくもくと朝御飯の準備をしている。
「ちゃんと大人しくしてるから…」
私は椅子から立ち上がって自分の部屋へと駆け込む。
”ちゃんと大人しくしてるから、嫌いにならないで”
さすがにそんなことまで言えないけれど。
ベッドに飛び込み枕に顔を埋める。
なんて話せばいいかわからない。
もうどう接していいかわからないよ。
ちょっとは近づけたと思ったのに。
また遠くなっちゃったよ。