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ーーーバタン!

2階の部屋の扉が開き、廊下が軋む音がする。

あれ?
何で2階から足音が?

階段を下りてきたのは、他の誰でもなく黒田だった。

「え?あれ?」

おかしい。
今、窓の外にいたよね?

「何だ」

目を丸くする私を黒田が不思議そうに見ている。

「え…今、外にいなかった?」

おそるおそる黒田に訊ねる。

「は?俺はずっと2階にいたが」

嘘。
じゃあ、さっきの人影は…誰?

全身の血がさっと引いていく。

「どうした」

私の態度の異変に黒田は気づいたようで、私の方へと歩いてくる。
私は身体が震えはじめる。

「いま…外に誰かいた」

それを聞いた黒田はみるみる険しい表情になり、窓の方へ走っていく。
カーテンを開け、窓の外を見回す黒田。
そして確認を終えた黒田は、再びカーテンを閉めた。

「誰もいなかった」

そんなはずない。
確かに誰かがいたはずだ。
私に気づいて、逃げてしまったあとかもしれない。


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