トップシークレット
「遅かったじゃないか…堂園一茂!」

目の前に現れたのは、紛れもなく堂園だった。
願ってもない出来事に私は言葉を失う。

「君は初めましてかな、並木和紗さん。手荒い登場ですまなかったね」

そう言って堂園は笑う。
その笑顔に恐怖を感じ、虫酸が走る。

「会えて非常に嬉しいよ。何せ私の実の娘に初めて会えたのだから」

”実の娘”…

堂園の口からその言葉を聞いて、本当の確信を持てた。
私は本当に、堂園一茂の子供なのだと。

「本当に、私はあなたの娘なのね」

「ああ、間違いない。君は私と並木琴子の間にできた子供だ」

認めたくなかった。
私にこの男と同じ血が流れているなんて。

本人の口から聞いたら認めざるを得ないじゃないか。
この男が私の父親だと。

「そういえば、お母さんは元気かい。もう15年以上直接は会っていないが」

堂園の言葉に私は怒りが溢れ出す。

「元気なわけないでしょう!?あなたがお母さんをおかしくしたくせに!」

「何を言っているんだい」

「とぼける気!?」

「やめろ!」

黒田が私達の間に割り入る。
黒田のいきなりの大声で私は驚く。

「落ち着け」

黒田の声で私は我にかえる。
堂園に対してむきになりすぎていたと。

「ごめん」

私は興奮を冷まして、再び床に座りこむ。
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