突然パパになりまして
「首をしっかり支えてあげてください」
「は、はい……」
「縦方向に抱いても構わないので、きちんと首を支えて抱き上げてください。その際に胸を近づけて体と一緒に起こすんです」
「く、首を……」
まだ首が完全にすわってないからなのか、ぐらぐらしているのをどうにか片腕で支え、抱きしめるように赤ん坊を近づけた。
まだぐずってはいるものの、少しはマシになった……かもしれない。
「だ、大丈夫です……」
「はい、ではお聞かせください」
赤ん坊を抱きかかえて立ってはいるものの、気持ちは先生に怒られている生徒そのもののような気がする。
真正直に答えた所でどういう反応が返ってくるか考えただけでも恐ろしい。
「じ、実はそのぉ……姉の赤ん坊をですね」
「前田さんにご兄弟はいらっしゃらないですよね」
「じゃ、じゃあ友達の赤ん坊をですね!」
「じゃあってなんですか!」
今度は俺がぐずってしまいそうになる。
完全に整理出来ないままに説明を求められている。
当然といえば当然だけど、この状況をうまく回避できる人がいるならすぐさま教えて欲しい。
「もしかして言えないのですか?」
「言えないというより、どう言ったらいいのか分かりません」
重い沈黙……電話口からは何も聞こえてこない。
彼女も対処に困っているのかもしれない。
「はぁ……分かりました」
「え、休ませてくれるのですか」
「会社には病欠扱いにしておきます。その代わり……」
柏木は一呼吸おくと
「前田さんの家に向かいますので住所を教えてください」
「は!?」
……は?
「は、はい……」
「縦方向に抱いても構わないので、きちんと首を支えて抱き上げてください。その際に胸を近づけて体と一緒に起こすんです」
「く、首を……」
まだ首が完全にすわってないからなのか、ぐらぐらしているのをどうにか片腕で支え、抱きしめるように赤ん坊を近づけた。
まだぐずってはいるものの、少しはマシになった……かもしれない。
「だ、大丈夫です……」
「はい、ではお聞かせください」
赤ん坊を抱きかかえて立ってはいるものの、気持ちは先生に怒られている生徒そのもののような気がする。
真正直に答えた所でどういう反応が返ってくるか考えただけでも恐ろしい。
「じ、実はそのぉ……姉の赤ん坊をですね」
「前田さんにご兄弟はいらっしゃらないですよね」
「じゃ、じゃあ友達の赤ん坊をですね!」
「じゃあってなんですか!」
今度は俺がぐずってしまいそうになる。
完全に整理出来ないままに説明を求められている。
当然といえば当然だけど、この状況をうまく回避できる人がいるならすぐさま教えて欲しい。
「もしかして言えないのですか?」
「言えないというより、どう言ったらいいのか分かりません」
重い沈黙……電話口からは何も聞こえてこない。
彼女も対処に困っているのかもしれない。
「はぁ……分かりました」
「え、休ませてくれるのですか」
「会社には病欠扱いにしておきます。その代わり……」
柏木は一呼吸おくと
「前田さんの家に向かいますので住所を教えてください」
「は!?」
……は?