素直にバイバイが言えるまで
ーーホントはそんなことじゃないの
龍吾に言われたことが、図星かもしれないと思うと、私は急に目が合わせられなくなった。
そのくせ、内心ホッとしていた自分がいる。
恋愛の醍醐味である、ドキドキとハラハラを行ったり来たりする『カケヒキ』に正直、疲れたところだった。
きっと龍吾が好きだから、無意識のうちに本気になっていて、仕事以上に気が張っていたんだと思う。
だから言葉では上手く伝えられなくて、自分から龍吾の手を握ったことは、今でも忘れていない…
そして、男の人にしては細くてきれいな指が、私の凍えた手を握り返してくれたことも、絶対に忘れたりしていない。
龍吾に言われたことが、図星かもしれないと思うと、私は急に目が合わせられなくなった。
そのくせ、内心ホッとしていた自分がいる。
恋愛の醍醐味である、ドキドキとハラハラを行ったり来たりする『カケヒキ』に正直、疲れたところだった。
きっと龍吾が好きだから、無意識のうちに本気になっていて、仕事以上に気が張っていたんだと思う。
だから言葉では上手く伝えられなくて、自分から龍吾の手を握ったことは、今でも忘れていない…
そして、男の人にしては細くてきれいな指が、私の凍えた手を握り返してくれたことも、絶対に忘れたりしていない。