素直にバイバイが言えるまで
グルグル回る夢と現実
龍吾と一緒にいる時間が増えてから、私は何気なく家族のことを聞いたことがあった。


「龍吾って兄弟いるの?」


「うん。妹。今高3なんだけど、全然受験勉強しないって、言ってた」



そう言いながらお菓子を食べる龍吾の横顔から、仲が良い兄妹なんだということがうかがえた。


「大学受かったら、こっち出てくるからさ、一緒にご飯とか行こうよ。妹にも紹介したいし。『自慢の彼女』って」


めちゃくちゃ笑顔で言うから、

普通に「うん」って答えた。


…けど、そうなったら、つい最近までJKだったというイマドキ女子大生に、私はどう接したらいいのか?


またもや歳上ネェさんのプレッシャーがドンと重くなった。
< 19 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop