素直にバイバイが言えるまで
プレッシャーの塊になっているわりには、妄想だけは先走って行った。


「お母さんはどんな人?」


つい、そんなことまで尋ねていた。


「母ちゃんは、結構大変」


「一緒にばぁちゃんが住んでるんだけど、認知症でさ。デイサービスとか、ショートステイ以外の日は、ずっとばぁちゃんの世話してる」


「そうなんだ…」


「そんな、暗くならないでよ」


龍吾が慌てて私の顔を覗き込んで、頭をなでなでしてくれた。


「うん…。なんかお母さん大変そうだなって思って」


ーーお母さんとは、上手くやっていけるどろうか?
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