素直にバイバイが言えるまで
それでも、素直な気持ちで、ちゃんと泣いた日がある。


龍吾と付き合っているときに、高校時代の親友チエの結婚式があった。


チエとはクラスも部活も一緒で、帰る方向も同じなこともあって、すぐに親友になった子だったから、結婚の報告を受けたときは凄く嬉しかった。


しかも、めちゃくちゃ感動する結婚式で、何度も泣いた。


真っ白なウェディングドレスを着たチエが、泣きそうな顔してるくせに、何回も彼と微笑み合う姿を見ていたら、羨ましくって、


ーー自分にこんな現実はいつやって来るの?


って考えちゃって、それからだんだんチエの顔がユラユラ涙で滲んで見えなくなって、嬉しいのに悲しい涙まで流れていた。


そのせいで私は、二次会でお酒を飲み過ぎてしまったのだ。

< 23 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop