素直にバイバイが言えるまで
ペースが早いという自覚はあったけど、お祝いのお酒っていうのは本当に美味しくて、止められず、テンションがいつもより倍増していた。


勿論そのまま帰るはずのない私たちは、三次会にお約束のカラオケに行くことになった。


部活の顧問だった先生も誘うと、仕方なく付き合ってくれて、みんなも絶好調だった。


それからも懐かしい話で盛り上がっていたら、学生時代の色々なことがいっぱいよみがえってきた。


「先生よく言ってたよね、私たちに。あれ、いい言葉だって大人になったらよくわかる」

そんなふうに誰かが言った。

「あれって?」

「『あきらめたらそこで終わりだぞ!』って言葉」

「なんだよ、そのときはわからなかったのか?」

白髪まじりになった先生が呆れながら笑った。

「ぜんっぜん」

主役のチエがあっけらかんと答えると、又みんなで笑った。


私も正直、全然わかっちゃいなかった…


適当な励ましだな、なんて思っていたから。
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