素直にバイバイが言えるまで
頑張れ私!
路上講習のある日、私が暮らす北の街には、冬の到来を告げる雪虫が、ふわりと飛んだ。
薄曇りの空と同化してしまいそうな、白くて小さなそのからだは、その名の通り、まるで雪が舞っているように見える。
教官が煙草の匂いをつれて教習車に乗り込んでくると同時に、前かがみになりフロントガラスを越しに外を見上げると、不思議そうに言った。
「ん? なんか見えるか?」
私は慌てて背筋を正した。
「いえ、あのぉ…今、雪虫が飛んでたなと思って」
「そっか、もうそんな季節になったか。どうりで寒いよな」
苦笑してくれた教官の横顔に、私も小さくうなずいた。
薄曇りの空と同化してしまいそうな、白くて小さなそのからだは、その名の通り、まるで雪が舞っているように見える。
教官が煙草の匂いをつれて教習車に乗り込んでくると同時に、前かがみになりフロントガラスを越しに外を見上げると、不思議そうに言った。
「ん? なんか見えるか?」
私は慌てて背筋を正した。
「いえ、あのぉ…今、雪虫が飛んでたなと思って」
「そっか、もうそんな季節になったか。どうりで寒いよな」
苦笑してくれた教官の横顔に、私も小さくうなずいた。