素直にバイバイが言えるまで
交差点に掲げられた案内標識に、大好きなあの街まで50Kmと出ていた。

ーー海の見える街までドライブなんて、いつになったら行けるかな…

颯爽と運転する私。
(妄想でニヤニヤ)


ホントはそんな余裕なんてなかった。


マニュアル通り、10時10分の形で握ったハンドルの手や、肩にも余計な力が入ってガチガチ。


頭の中は、路上コースを覚えてこなかったことなんかじゃなくて、

まったく関係ないことに支配されていた


教官に注意されてしまうほど、ぼんやりする理由が、ちゃんとあった。
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