素直にバイバイが言えるまで
ぼんやりとする理由…

それは、昨日、ふらりと立ち寄った本のリサイクルショップで、懐かしいものを見つけたからだ。


読みかけだったこともあったし、私は迷わずそれを手に取った。


大袈裟と思われるかもしれないけれど、その本との出会いは、まるで奇跡としか言いようがない。


駅からほど近い自宅アパートに帰ってから、ほっこりしようとインスタントコーヒーを淹れた。

少し色褪せた表紙の小説。


それからおもむろにパラパラと頁をめくってみると、栞代わりのように、ひっそりとレシートがはさまっていた。


よく見てみると、見慣れたレンタルショップのレシート。

去年の夏頃の日付で、どうやら邦画のDVDを購入したときにもらったものらしかった。

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