素直にバイバイが言えるまで
アマノジャクは損をする
「ーー結婚とか考えてるから」


すぐにでも龍吾に飛びつきたいくらい、嬉しかった。


けれども猛スピードで色んなことが頭を過って、すぐに満杯になって爆発して、最後には真っ白になって、脳が『拒否セヨ!』という指令を下してしまった。


その結果……

「そんなこと考えなくてもいいよ」


思いとはまったく正反対の言葉を、口から吐き出していた。


本当は、凄く嬉しいはずだったのに…


「だってさ、龍吾はさ、これから就活だってあるし、大変じゃない?私のことなんていいから」


ーーイヤ、ホントはよくないけど。

強がりと不安が入り混じって、逆に龍吾を試すようなことを言ってしまった。

しかも、そっけない口調で


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