DREAMFactory
タダノユメ
11月20日
7時50分
学校に行く為には、いつも家から徒歩10分といった所にあるバス停に向かう。
ただバスを待つだけではない。
『那都ー!おはよー!』
いつも、友達である柊 那都(ひいらぎ なつ)と待ち合わせてバスに乗る。
ちょうど、柳瀬高校経由のバスが来た。
『もー、芹!ギリギリ!焦ったじゃん。』
鶴木 芹(つるき せり)、私の名前。
『ごめーん。』
寝坊したので猛ダッシュで走ってきたけど、
いつもならバス停で少し談話するくらいの余裕がある。
『また、あれ観てたの?』
『う、うん。(すぎ顔に出ちゃうから、言い訳できない・・・)』
『正直でよろしい。』
那都はフフッと笑った。
「あれ」とは、今とてもはまって観てるホラー映像の事。
ネットで一般人が挙げたガチの心霊映像にはまって、今回の遅刻理由は、気づけば夜中の3時を回ってたという。
怖くないのかと言えば・・・うーん、私の身に起きたことではないから、客観視でしか観てない点で怖さは軽減されてる、かな。
でも、流石に、ねむ・・・ぃ・・・
たまたま空いてた二人用席に座れて、
バスの心地よい揺れに眠気が襲ってきた。
『でねー、悠がさー。』
那都が、何か、話してる・・・けど・・・ね、む・・・い・・・
『ーーーでーーあーー、せーーー』
・・・何の・・・はな、し・・・?
『せーーーっーーー、!!!!せーー!
おきーーー!!』
え・・・なに?
『ーーー芹!!!』
『っ!!!』
ーーーーーーーー
気づけば、満員な状態だったはずの車内が、
人一人くらい通れそうな通路が出来ていた。
立っていた人は・・・窓が背中についてたり、天井まで体が密着するくらいに押し寄せていた。
座っていた人達は、立っていた人達の下敷きになってたり、窓ガラスに転がるようにして横たわっていた。
『なに、これ。どう、なってんの・・・?ねぇ那都・・・』
那都から返事がない。
さっきまで楽しそうに話してたのに急に黙らないでよ。
『ねぇってば・・・那都。』
また無視。
なんなの・・・
『ねぇ、那都・・・那都・・・。』
かという私も、何故かな。頭を動かせない。
体も。唯一口は動かせてる。
ズル・・・
何か私の目の前に滑り落ちてきた。
パサッとした感覚。
黒い細長いもの。
それは徐々に私の目の前に落ちてくる。
そして、私はあるものに気づいた。
『え・・・これ、那都のーーシュシュ・・・』
那都は綺麗な黒髪で、背中の半分まで長くて、
その髪を左側にシュシュでくくっていた。
シュシュのデザインはたくさんあって、どれも可愛いものばかりで。
ショートヘアの私も、いつかは那都みたいにオシャレになりたいって。
でも、今、目の前にあるシュシュは・・・
ガタッ!!
バスが一瞬だけ、傾いた?
すると私の目の前で覆いかぶさって来ていた髪は一瞬にして血が爛れた那都の顔が現れたーーー。
7時50分
学校に行く為には、いつも家から徒歩10分といった所にあるバス停に向かう。
ただバスを待つだけではない。
『那都ー!おはよー!』
いつも、友達である柊 那都(ひいらぎ なつ)と待ち合わせてバスに乗る。
ちょうど、柳瀬高校経由のバスが来た。
『もー、芹!ギリギリ!焦ったじゃん。』
鶴木 芹(つるき せり)、私の名前。
『ごめーん。』
寝坊したので猛ダッシュで走ってきたけど、
いつもならバス停で少し談話するくらいの余裕がある。
『また、あれ観てたの?』
『う、うん。(すぎ顔に出ちゃうから、言い訳できない・・・)』
『正直でよろしい。』
那都はフフッと笑った。
「あれ」とは、今とてもはまって観てるホラー映像の事。
ネットで一般人が挙げたガチの心霊映像にはまって、今回の遅刻理由は、気づけば夜中の3時を回ってたという。
怖くないのかと言えば・・・うーん、私の身に起きたことではないから、客観視でしか観てない点で怖さは軽減されてる、かな。
でも、流石に、ねむ・・・ぃ・・・
たまたま空いてた二人用席に座れて、
バスの心地よい揺れに眠気が襲ってきた。
『でねー、悠がさー。』
那都が、何か、話してる・・・けど・・・ね、む・・・い・・・
『ーーーでーーあーー、せーーー』
・・・何の・・・はな、し・・・?
『せーーーっーーー、!!!!せーー!
おきーーー!!』
え・・・なに?
『ーーー芹!!!』
『っ!!!』
ーーーーーーーー
気づけば、満員な状態だったはずの車内が、
人一人くらい通れそうな通路が出来ていた。
立っていた人は・・・窓が背中についてたり、天井まで体が密着するくらいに押し寄せていた。
座っていた人達は、立っていた人達の下敷きになってたり、窓ガラスに転がるようにして横たわっていた。
『なに、これ。どう、なってんの・・・?ねぇ那都・・・』
那都から返事がない。
さっきまで楽しそうに話してたのに急に黙らないでよ。
『ねぇってば・・・那都。』
また無視。
なんなの・・・
『ねぇ、那都・・・那都・・・。』
かという私も、何故かな。頭を動かせない。
体も。唯一口は動かせてる。
ズル・・・
何か私の目の前に滑り落ちてきた。
パサッとした感覚。
黒い細長いもの。
それは徐々に私の目の前に落ちてくる。
そして、私はあるものに気づいた。
『え・・・これ、那都のーーシュシュ・・・』
那都は綺麗な黒髪で、背中の半分まで長くて、
その髪を左側にシュシュでくくっていた。
シュシュのデザインはたくさんあって、どれも可愛いものばかりで。
ショートヘアの私も、いつかは那都みたいにオシャレになりたいって。
でも、今、目の前にあるシュシュは・・・
ガタッ!!
バスが一瞬だけ、傾いた?
すると私の目の前で覆いかぶさって来ていた髪は一瞬にして血が爛れた那都の顔が現れたーーー。