幼馴染みの取扱説明書
私の幼馴染み
朝、重たい体をのそのそと動かして、重たい瞼を擦って無理やりこじ開けて学校へ向かう準備をする。
制服に着替えて髪をセットして下に降りるとフワッと味噌汁の匂いが鼻をくすぐる。
『ふわぁ……おはようお母さん』
私はぐーっと背伸びをして料理を用意してくれているお母さんにいつものように挨拶をする。
「あ、羽月。遅かったわね、翔くん来てるわよ」
『え、翔?なんで?』
翔とは隣に住んでる幼馴染みでよくお互いの家に行ったりするが翔は用がない限りはあんまり来ないのに珍しい。
そう思ってお母さんに問いかけたがお母さんから違う方向から声がした。
「よ!
昨日先生からお前に渡すように言われてたプリント渡し忘れてたから届けに来てやった」
そう言って手を取られ手の上に乗せられたのはクシャッとなったプリント。
『は、?』
「じゃ、俺は届けたからな」
そう言ってドタバタと家を出ていった翔。
クシャッとなったプリントを広げると
“数学テスト課題 〆切明日の授業日”
『翔のやつ……!!!』